第1章 バーチャルプロダクションとは
バーチャルプロダクションVirtual Production とは
バーチャルプロダクションとは、ここ数年の中で急速に広がった新しいプロダクションの表現技術、あるいはワークフロー、パイプラインのことです。
バーチャルプロダクションとはプロダクション(実写撮影)の領域にバーチャルが押し寄せてきた
Weta Digital(ニュージーランド) CGI/VFX Studio
「バーチャル・プロダクションは現実世界とデジタル世界が遭遇する場所」
Moving Picture Company(MPC:英) CGI/VFX Studio
「バーチャル・プロダクションとは仮想現実とARをCGIとゲームエンジン技術で結合し、セットでキャプチャーし合成した時にそれを取り込んだシーンをその場で制作スタッフに確認ができるようにするもの」
引用:『バーチャル・プロダクションフィールド ガイド第1巻』
バーチャルプロダクション Virtual Production
撮影(Production)現場にバーチャル(CG)を持ち込む技術
様々な技術を組み合わせていくと
今までにない表現が可能になる合成、ポスプロのワークフロー、パイプライン(工程)がまったく変わる
そして、
2019年、Epic Gamesが発表したこの映像が世界中に伝えられ、ここから『バーチャルプロダクション Virtual Production』は全世界に広がっていきました。
1 スクリーンプロセスの原理←←←これが原点です
LEDパネル 大型化、低価格化、高精細化、HDR対応
2 合成技術ブルーバック/グリーンバック クロマキー、マット合成、セットとのなじませ、XR、AR合成、デプスマット
3 バーチャルアセットバーチャルセット/バーチャルスタジオ(90年代~) TV局導入のスタジオセット
4 リアルタイムグラフィックス UNREAL ENGINEなどのゲームエンジンの発達、リアルな表現
5 バーチャルカメラ(00年代~)カメラトラッキング、プレビズからの流れ レンズキャリブレーション、ズーム、フォーカス
オンセットビズの流れ(10年代~)
6 バーチャルライト照明との連動 DMXコントロール
7 バーチャルキャラクター モーションキャプチャー
8 HDR/シーンリニアワークフロー
9 モーションコントロールモーションコントロールカメラ、動きの制御、コントロール、再現性
まだまだ解決しなければいけない課題もある
- ポスプロCG/VFXの工程がプリプロダクション化する(撮影までに制作)
- パイプラインが大きく変わる
- カメラ、レンズキャリブレーション、トラッキング
- スタジオでの調整のノウハウ 空間座標の一致
- 誰がルック、データを管理するのか?CGVFXチーム?DIT?カラリスト?
- デプス情報 FGとのリアルタイム合成 ARのFGBG切り替え
- HFR(ハイフレームレート)同期によるグリーンバック(マット)の撮影、マルチカメラの可能性
バーチャルプロダクションパイプライン